-TechTarget/atoll projectガバナンス成熟度とクラウド定義満足度に基づくIaaS比較調査より-
ガバナンス成熟度とクラウド定義満足度に基づく日本のIaaSランキング
-atoll projectガバナンス成熟度とクラウド定義満足度に基づくIaaS比較調査より-
2013年6月3日版
ガバナンス成熟度とクラウド定義満足度に基づく日本のIaaSランキング
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2013年6月3日版
ガバナンス成熟度とクラウド定義満足度に基づく日本のIaaS分布
-TechTarget/atoll projectガバナンス成熟度とクラウド定義満足度に基づくIaaS比較調査より-
2013年6月3日版
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2013年6月3日版
ガバナンス成熟度とクラウド定義満足度に基づくIaaS比較調査結果概要と2013年春のクラウドガバナンス比較表、分布グラフを収録し、解説した記事がTechTargetに掲載されていますので併せてご一読ください。
ガバナンス成熟度とクラウド定義満足度に基づくIaaS比較調査計画について
日本国内において現在のところクラウドを厳密に定義した標準や法規制は存在しません。このため、どのようなサービスであってもクラウドを自称することが可能です。しかし、クラウド市場の健全な発展のためにはクラウドがどのようなサービスを指すかについての定義と、クラウド定義に基づいたクラウドらしさについての指標整備によって利用者にガイドラインを示し市場の透明化を図る必要があります。
atoll projectではOCDETと連携して事業継続性と運用弾力性に配慮したクラウドリファレンスアーキテクチャv1.0を公開して、国際的に利用されているクラウド定義と経済産業省など国内で提案されている定義を統合し、クラウドらしさを定量的に比較する基礎となる定義モデルを作成しました。
事業継続性と運用弾力性に配慮したクラウドリファレンスアーキテクチャv1.0は国内で提案されている定義との互換性を確保するために広範なサービスをクラウドと呼称しえるようにデザインされています。しかし、同アーキテクチャのチュートリアルにおいて指摘したように事業継続性と運用弾力性を求める市場の要求によって、クラウドの定義はNIST定義の目指したところに回帰していくものと予測しています。
また、サービスとしてのクラウドはビジネスエコシステムが成長し運用弾力(レジリエンス)性が確保されることでネットワーク外部性が働き、便益逓増サイクルが回ることで成長します。提供主体やサプライチェーンのガバナンス成熟度が高まらなければ市場において信任されないと表現することもできます。この点を考慮すると利用者にとってガバナンス成熟度も重要なクラウド選択指標となります。
個々の事業者がどのような機能(クラウドらしさを実現する実装)と運用方針(ガバナンス体制)を持っているのか、また、どのような実績を積んできているのかを外部から知るには、第三者によって正確性と非改竄性が保証されたメトリクスが公開されていればよいわけです。
しかしクラウド市場に限らず市場透明性を高める取り組みは一朝一夕には進歩が得られませんし、もちろんのことクラウド市場では、正確性と非改竄性が保証された網羅的メトリクスはまだ提供されていません。
そこで、この調査では市場透明性を推し量る手段の一つとして、原則的に当該事業者のWebサイトなどで公開されている情報だけを利用してサービス比較を行うことで、どの程度の情報が一般に開示されているのかを重視しました。
また、このガバナンス成熟度とクラウド定義満足度に基づくIaaS比較調査の結果を独自のスコアリングモデルで数値化することによって本IaaS Rankingとガバナンス成熟度とクラウド定義満足度に基づく日本のIaaS分布図を作成して視覚的に各IaaSの特徴をわかりやすく表現しました。
調査項目設計について
2012年8月に公開した第一回調査(TechTarget記事【徹底比較】安心・安全なクラウドはどれだ? 35のIaaSを比較として公開)と今回の調査項目設計は同一となっていますが2013年4月5日に公開したリファレンスアーキテクチャv1.0との互換性は確保されています。
クラウドの本質的特徴とセキュリティモデル、ガバナンスモデルの対応関係を以下の図のように整理し、対応する外部検証手段をマッピングしています。
リファレンスアーキテクチャv1.0のコントロールエリアモデルとセキュリティモデルの対応関係は以下の図の通りです。
リファレンス アーキテクチャv1.0は最新のCSA CCM v3.0 PEER REVIEWなどに基づいてデザインされています。これに対して第1回調査の基礎となったTechTarget連載記事、クラウドガバナンス現在進行形で利用していたCloud Security Modelは掲載時期の関係でCSA Cloud Security Guidance v1.2など、より古い分類基準に基づいていたため、フォレンジック概念が盛り込まれていないなど若干の問題がありました。ただし、この差異は今回調査で採用した手法では、外部から観測できる粒度ではなく、新旧両基準で要件粒度における互換性は確保されているので調査項目について今回は差し替えの必要は無いと判断しています。今後さらに詳細な調査を実施する際はより細分化したリファレンスアーキテクチャに基づく項目構成に変更していきます。
サービス分類名称について、リファレンスアーキテクチャv1.0では経済産業省などの国内基準に配慮してマネージドホスティングまで含めて広義にクラウドと呼称できる定義を採用していますが、同チュートリアルで解説したように、市場の淘汰圧や相互運用性・運用弾力性確保を求める観点から市場はNIST定義に回帰します。ゆえに、この調査でのサービス分類名称は第1回と第2回で同一の呼称を採用しています。
ただし、分類判定基準について第一回と第二回で一点だけ変更しています。第1回調査ではResource Poolの検証手段としてプールされた余剰資源量が可視化されていることをハイブリッドクラウドの必須要件としていましたが、余剰資源量を池の中の鯨 に開示するならまだしも、池の中のメダカにまで開示するのは競争戦略上好ましくないとの事業者からの指摘を受け入れ、開示を任意に変更しました。ただし、資源量制約の可視化がなされていないことが原因で、なんらかの問題が顕在化した場合は基準を再度改める場合があります。
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